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アンデルセンといえば、「人魚姫」、「マッチ売りの少女」、「みにくいあひるの子」、「はだかの王様」などなど、誰もが必ず子どもの頃に読んだことがある素敵な童話の数々を思い出すことでしょう。そのアンデルセンの故郷が、デンマークのここ、オーデンセなのです。
アンデルセン (Hans Christian Andersen)は、1805年、貧しい靴職人の父と洗濯婦の母のもとに生まれました。そして、彼はこの美しい町オーデンセで、教会や川、森を散策しながらその創造力の芽を養ったのです。
俳優になることを夢見た彼は、14歳の時、希望の胸を膨らませ、馬車に乗って首都コペンハーゲンに旅立ちました。結局、俳優としての道は開けませんでしたが、彼の書いた脚本や詩を読んで、その才能を見ぬいた裕福な人達に援助してもらって、アンデルセンは学校に通って勉強することが出来ました。その後、彼は数々の地を旅して旅行記を書き、一躍有名になりました。そして、童話の執筆も始めた彼は、そこで、創造力を開花させ、現在に残るすばらしい作品の数々を生み出したのです。
アンデルセンの作品のひとつ、「みにくいあひるの子」には、貧しい家庭にうまれながらも、最後には成功したアンデルセン自身が投影されていると言われています。デンマーク版、サクセスストーリーといったところでしょうか!?
アンデルセンは何度も恋に落ちましたが、こちらの方はついてなかったらしく(?)、一生独身で子どももありませんでした。また彼は手先が器用だったようで、彼が作った数々の切り絵を、博物館で見ることが出来ます。
ところで、彼はコペンハーゲンで裕福な人達に援助してもらって教育を受けることができたと書きましたが、それはなぜか??・・・それは実はアンデルセンは王様の隠し子であったからだという説もあるそうです(この説はあまり一般的ではないようですが)。
オーデンセにあるアンデルセン博物館には、彼の童話の原本や手紙、彼が趣味で作った切り絵、いろいろな私物を置いて再現された部屋などの興味深いものが、たくさんあります。また、街の中心部には今でもアンデルセンの育った家が残っていて、小さな小さな家の中を見学することができます。
オーデンセの人々は、オーデンセがアンデルセンの故郷であることを大変誇りに思っています。ちなみにデンマーク語では、彼の名前H. C. Andersenは、ホー・シー・アナセンと読みます。覚えておくと役に立つかも。Andersenというのはデンマークではごく一般的な名字なので、「H.C.(ホー・シー)」を付けて呼んだ方がデンマーク人にはわかりやすいと思います。
2005年のアンデルセン生誕200周年には、オーデンセ、そしてデンマーク中がアンデルセンの誕生を祝いました。世界中からゲストを招いて催しが行われ、私にとってもおもしろい一年でした。
もしデンマークやオーデンセを訪れる機会があったら、その前にぜひ、アンデルセンの作品や伝記を一読してこられてはいかがでしょう。また一段と味わい深い旅にすることができるかもしれません。
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